不動産を購入する際にはローンで資金を借りるのが一般的ですが、手持ちの現金で足りるなら無理に融資を受ける必要はありません。
ただ、実際に現金のみで購入するかどうかは、メリットや注意点などを確認してから決めると良いでしょう。
今回は、住宅の購入をお考えの方に向けて、不動産を現金で一括購入する際のメリットや注意点などを解説します。
不動産を現金で一括購入すると、住宅ローンの金利負担を避けられます。
高額を長期間借りていると低金利でも利息はかさみやすいので、金利負担をなくせると家計面では助けられるでしょう。
融資を受けるにあたって何かと発生しやすい手数料も省けます。
借り入れをしないなら保証会社の利用も不要であり、保証料も発生しません。
さらに、不動産を購入する方の健康状態も問われないのです。
住宅ローンを利用するには一般的に団体信用生命保険に加入する必要があるので、健康状態は重要な条件です。
特定の持病がすでにある方は融資が受けられず、住宅購入も頓挫しやすいところ、現金のみで家を買うならこれまでの病気の履歴なども関係なくなります。
このほか、後述する住宅購入の流れについても、融資を受けない場合は短縮されるので、不動産がスムーズに取得できます。
不動産を現金で一括購入すると手持ちの資金が大幅に減り、不測の事態に対処できなくなる恐れがあります。
たとえば物件を購入した直後に病気で働けなくなった際、生活費がすぐに底をついて困窮しやすいのです。
不測の事態が起きても対処できるよう、ある程度は蓄えを残しておきましょう。
次に、物件購入のために借り入れしなかった場合、住宅ローン控除は利用できなくなり、節税は少し難しくなります。
そのほか、高額の資金を一度に使うと税務署から調査を受ける恐れもあります。
不動産は高額であり、手持ちの現金のみで購入できる方は多くありません。
ゆえに、購入に使った資金は誰かから受け取ったものではないかと疑われやすく、調査対象とされやすいのでご注意ください。
ローンの手数料などは省けるとはいえ、現金一括で不動産を購入する際にも以下のような費用が発生する可能性があります。
●仲介手数料
●印紙代
●手付金
●登記費用
●建物の設計費
●地鎮祭の費用
予想外の費用が発生して資金が足りなくなったり、想定以上に蓄えがなくなったりしないよう、事前によくご確認ください。
不動産を買う際の現金一括の流れは、購入申し込みから引き渡しまでの期間を短縮することもできます。
基本的に物件の売買契約を結ぶのみで良く、ローンの審査や契約手続きなどが発生しないので、不動産がスムーズに手に入ります。
不動産を現金のみで購入すると、ローンの金利負担などが省けるなどのメリットが得られる一方、手持ちの資金を一気に失いやすいことなどには注意する必要があります。
そのほかの費用や購入の流れなども確認しておくことが大事です。
確認したうえで資金的に問題がないとわかった場合は、現金での一括購入も検討してみてください。