不動産を売却する時は、不動産のことをよく知るプロにお願いする方が安心です。
そして不動産のことを知るプロの中には、司法書士と呼ばれる職業の方がいます。
不動産の売却手続きの際、司法書士にお願いする必要はあるのでしょうか?
今回は、不動産売却における司法書士への依頼に関するご紹介です。
結論から言うと、不動産売却の時に司法書士は必要な存在です。
なぜなら司法書士は、不動産関連の重要な手続きを代行する役割を担っているからです。
司法書士ができる業務
司法書士の有資格者は、以下の業務を行うことができます。
●登記もしくは供託に関する手続きの代理
●裁判所・検察庁・(地方)法務局に提出する書類の作成
●(地方)法務局長に対する、登記または供託に関する不服申し立ての手続きの代理
●簡易訴訟代理等関連業務(この業務のみ、法務大臣から認定を受けた司法書士以外はできない)
●上記の業務に関する相談に応じること
上記のように、司法書士は不動産の登記に関する業務の他にも、債務整理・裁判・相続・遺言に関する業務を行えます。
司法書士と同じく、重要な手続きを行う職業の例として弁護士・行政書士がありますが、それぞれの有資格者ができる業務は司法書士と異なります。
たとえば弁護士は、当事者やその関係者、または国・地方公共団体の諸機関などから依頼を受けて、訴訟などの審査請求・異議申し立て・行政庁に対する不服申し立てなどを含む法律全般の事務を行います。
いっぽう行政書士は、国・地方公共団体の諸機関などに提出する書類の作成や手続きの代理・書類作成の相談に応じるなどの業務ができます。
ただし行政書士は、司法書士のように不動産登記の手続き代理などはできません。
このように、弁護士は法律全般に関する手続き代理を、行政書士は裁判所・検察庁・法務局など法以外の行政機関などに関連する手続き代理ができる職業なのです。
司法書士ができる業務の一つに不動産登記がありますが、この業務を依頼するとどんなメリットがあるのでしょうか?
その理由は、「売主の負担が減ること」と「トラブルを防げること」です。
不動産登記を個人でやるには相当の労力と時間が必要
不動産を売却すると所有権を売主から買主へ移さなければいけませんが、この手続きを個人で行うにはかなり労力と時間が必要です。
手続きを行う法務局が開いているのは平日のみなので、土日祝日休みのお仕事をされている方は有休や半休などを使って行かなければなりません。
しかも提出した書類の内容に不備があると、後日再度法務局へ行ってやり直しです。
しかし司法書士は不動産登記のプロなので、登記に必要な書類の作成と手続きを依頼すると売主も無駄な時間と労力を使わずに済む点は、大きなメリットではないでしょうか。
個人で不動産登記を行って不備があるとトラブルが起きやすい
不動産登記に不慣れな個人が書類を作成して手続きを行うと、不備があって完全な登記が行われないかもしれません。
また不動産売買は高額な取引であるため、売主自身が準備した書類の不備の有無だけでなく、本当に売主が所有者本人であるかどうか確認することも重要です。
これらのことがすべて間違いないかどうかを、売主・買主それぞれがお互いで確認し合うには正直なところ不十分で、後にトラブルが起きてしまう恐れがあります。
その点、司法書士に依頼すると登記に必要な書類の作成・内容確認もしっかり行ってもらえますし、売買契約時の本人確認も正しく行われるため、安全な不動産売買ができるメリットがあります。
司法書士に不動産登記を依頼する際は報酬が発生する
司法書士に不動産登記の書類作成や手続きを依頼する場合は、報酬を支払います。
報酬額は一律ではなく、依頼する司法書士事務所や地域、登記の種類などによって異なります。
日本司法書士会連合会のホームページでは、所属する司法書士が業務を行った際に受け取る報酬額の平均額を紹介していますので、依頼する時はこちらを目安にするといいでしょう。
不動産売却において重要な登記ですが、登記簿にはどんなことが書かれているのかご存知でしょうか?
登記簿には、以下の事柄が記載されています。
●表題部…不動産の所在地・地番・地目(宅地なのか畑なのかなど)・土地の面積などを記載した項目
●権利部(甲区)…不動産の所有者名・不動産を取得した日および理由(原因)・誰から不動産の所有権を譲渡されたのか記載した項目
●権利部(乙区)…不動産にかけられている抵当権などを記載した項目
上記はいずれも誰がどんな不動産を所有しているのか、いつ誰からどんな理由で取得したのか、抵当権を設定している金融機関がどこなのかなど、不動産取引における重要な情報です。
不動産売却時に行われる登記は2種類
不動産を売却する際に行う登記は、所有権移転登記と抵当権抹消登記の2種類です。
所有権移転登記とは
所有権移転登記とは、売却した不動産の所有権が売主から買主へ正式に移ったことを記録することです。
万が一所有権移転登記を行わずにいると、たとえ買主がきちんとお金を払って買った不動産でも、第三者に「この不動産は私のものだ」と主張することができません。
そうすると売主も巻き込んだ予想外のトラブルが起きる可能性もあるのです。
抵当権抹消登記とは
抵当権抹消登記とは、住宅ローンを融資してくれた銀行が不動産にかけた抵当権を抹消するための手続きです。
融資元の金融機関は、万が一所有者が住宅ローンを返済できなくなると融資対象の不動産を競売にかけて、売却代金で残債を回収する権利(抵当権)を持っています。
金融機関から融資を受ける際はこの抵当権が設定されますが、不動産を売却するには売主の抵当権を抹消してから買主へ引き渡さなければなりません。
なお、不動産売却時にまだ住宅ローンの返済が終わっていない場合は、売却代金を充てて残債を0にすることで抵当権を抹消できます。
もし売却代金だけで足りない場合は、売主の預貯金や身内から借りたお金なども充てなければいけなくなるため、売却代金だけで抵当権を抹消できそうかあらかじめ計算しておきましょう。
登記簿に記載されている氏名・住所が異なる場合はそのための登記も必要
時々、登記簿に記載されている所有者の氏名や住所が、現在の氏名・住所と異なっているケースがあります。
不動産売買は、取引時点での情報と登記簿の内容が一致していないと契約ができません。
そのため、もし不動産登記簿に記載されている氏名や住所の情報が古いままであれば、氏名や住所変更の登記も忘れずに行ってください。
最後は不動産売却の登記を司法書士に依頼する際、売主が用意する書類もご紹介します。
売主が絶対に忘れてはいけない書類は、次のものです。
●不動産の権利証もしくは登記識別情報通知書
●印鑑証明書および実印(※印鑑証明書は登記申請日から3ヶ月以内のものであること)
●固定資産税評価証明書
その他には、本人確認用に使用する免許証やパスポート、売主の住民票、金融機関が作成した抵当権抹消書類なども用意します。
書類によっては取得に時間がかかるものもあるので、ゆとりを持って用意するようにしましょう。
不動産売却における登記は個人で行うことも可能ですが、相当の手間やリスクを負います。
それよりも、司法書士に書類の作成や手続きを依頼する方がスムーズに進み、登記の不備による無用なトラブルを回避できるメリットが高まります。
今回は登記における司法書士へ依頼するメリットについてご紹介しました。
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